CCS推進事業 地上技術 JAPAN-GTL
JAPAN-GTL
カーボンニュートラル燃料として
期待される液体合成燃料技術
- POINT
- 国産GTL技術による新たな資源獲得
- 二酸化炭素の有効利用による付加価値創造
GTLとは
液体合成燃料技術:GTL(Gas to Liquids)とは、天然ガスを原料として、ガソリン、ジェット燃料、軽油などの液体燃料や化学品を合成する技術です。本技術はこれまでに原料や合成する燃料に関して多様な検討がなされ、製品中に硫黄分が含まれないクリーン燃料を製造できる技術として一部は商業化に至っています。
昨今では、2050 年カーボンニュートラルに向けて脱炭素化が求められる中、空気中のCO2を吸収したバイオマス、あるいは回収されたCO2を原料として合成する「カーボンニュートラル燃料」製造に使える技術として、改めて本技術が注目されています。合成された新液体燃料は、既存の燃料インフラが使えることから、他の新燃料に比べて導入コストを抑えることができると期待されています。
JAPAN-GTL事業について
JOGMEC、及び株式会社INPEX、ENEOS株式会社、石油資源開発株式会社、コスモ石油株式会社、日鉄エンジニアリング株式会社、千代田化工建設株式会社の民間6社は共同で、日本独自のGTL技術であるJAPAN-GTLプロセスの開発を行ってまいりました。2006年10月から2012年8月までの約6ヵ年にわたり、JOGMECと民間6社が設立した日本GTL技術研究組合(注1)は、JAPAN-GTL実証研究(注2)として、新潟市東区太郎代に日産500バーレルのGTL実証プラントを建設し、実証試験を行うと共に、バックアップ研究、商業化検討等を行い、商業規模でのGTLプラントに適用可能なJAPAN-GTLプロセスを確立しました。
この成果を踏まえ、JOGMEC並びに民間6社の関係7者は、JAPAN-GTLの技術利用並びに事業化に向け活動をしております。引き続き、エネルギーの安定供給、そして地球環境に貢献できる独自のGTL技術の実用化に向け、全力で取り組んでまいります。関係各位の一層のご指導、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
(注1)JAPAN-GTL実証研究のために、参加民間6社により2006年10月25日に設立された時限の技術研究組合。本実証研究完了後の2012年8月31日に解散した。
(注2)JOGMEC 特別研究「天然ガスの液体燃料化(GTL)技術実証研究」研究項目「GTL実証研究」
JAPAN-GTLヒストリー
2012年01月27日 JAPAN-GTL実証試験成功裏に終了
2012年06月12日 JAPAN-GTL実証研究、石油技術協会業績賞を受賞
2012年12月20日 平成24年度日本エネルギー学会賞(技術部門)を受賞(7社)
2013年09月11日 トルクメニスタン国営ガス公社トルクメンガス及び石油ガス産業鉱物資源省とMOU締結
2014年03月20日 JOGMEC、モザンビーク炭化水素公社及び三井物産と天然ガスの有効利用(JAPAN-GTLプロセス)に関する共同調査を実施
2014年07月23日 天然ガスの液体燃料化技術(JAPAN-GTLプロセス)実証研究プロジェクト「平成26年度 第6回エンジニアリング奨励特別賞」を受賞(7社)
2015年10月26日 トルクメニスタン国営ガス公社トルクメンガス 及び石油ガス産業鉱物資源省とMOU 締結
2015年10月27日 ウズベクネフチェガスとJAPAN-GTL に関する共同スタディに係る基本合意書を締結
JAPAN-GTLとは?
JAPAN-GTLの技術概要
※所属・役職及び本記事の内容は執筆時点のものです。
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