デジタル推進事業 JOGMEC業務のデジタル化 クラウド検討で見えてきたもの

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システム導入

クラウドベースのデータ管理・利用システム

POINT
横断的なデータ利活用に向けた統一データベースの構築
クラウドの有用性
データベースはシステムだけでなく自分たちのルール作りも大事

JOGMEC内での統一データベースの構築に向けて

 IT技術の進歩により、世界の石油天然ガス上流開発企業や国営石油会社の多くは、データを自社のサーバー上に置く方式からクラウド上で管理し利用する方式に移行しつつあります。一方、我が国では、2018年に資源エネルギー庁とJOGMECが共同で「資源開発2.0」デジタル有識者勉強会を実施した結果、デジタル技術開発に当たっての課題として、「石油天然ガスに関する探鉱データが有効に活用されていない」、「公開データを用いたデジタル技術の活用可能性の追求がなされていない」というデータの活用に関する問題点が挙げられています。
 この問題の背景には、「データに守秘が課せられている」、「データの保管ルールが定まっていない」、「データが部門ごとに保存される、いわゆる“サイロ化”の状態になっている」等の理由があります。海外の上流開発企業も同様の問題を抱えていますが、一部の企業はその解決策として膨大な探鉱・開発・生産データをクラウド上で保管・管理することによりこの問題を解決し、国際的な評価を高めています。
 JOGMECもこの問題に取り組むべく、まずはJOGMEC内のデータを集約し管理するための基盤となり得る「クラウドベースのデータ管理・利用システム」の試験導入を実施しました。具体的には、データ保管ルールを新しく設定し、保管場所を一か所にすることで、これまで部門ごとに保存されサイロ化していたデータが集約され、クラウド上でデータベースが構築されます。この統一データベースができることで、これまでJOGMECに集められたデータが部門横断的に再活用されることと、職員のデータを探す作業が大幅に効率化されることが期待されます。

「資源開発2.0」の枠組み
(「資源開発2.0」 デジタル有識者勉強会の報告書より抜粋)

なぜ“クラウド”なのか

 なぜデータをクラウドに保存するのでしょうか?データの保存場所を確保するという目的だけならば、自社のファイルサーバーで十分なはずです。しかし、インターネットが普及した昨今は、ハッカーなどによるサイバー攻撃のリスクが急激に高まっており、サイバーセキュリティへの対策が非常に重要になっています。そうした脅威からデータを守るためのセキュリティ対策を自社で万全に行うためには、高い専門性とかなりの労力が必要となります。一方で、クラウドサービスを提供する会社は、堅牢なセキュリティ対策を施したデータの保存場所を用意してくれるため、自社でセキュリティ対策を施す労力が軽減されます。これがクラウドを利用する大きなメリットの一つと言えるでしょう。
 また、データは日々増えていくものです。容量の余裕をもって導入した自社のファイルサーバーであっても、いつの間にか容量がいっぱいになっていることが少なくありません。自社のサーバーの場合、新しいサーバーにデータを入れ替える際には、新しいサーバーの選定やデータ移行といった手間が発生しますが、クラウドの場合、容量の拡張は容易であり(もちろんその分お金はかかりますが・・・)、拡張性といった観点でもクラウドの有用性は高いと言えます。
 他にもクラウド利用については多くのメリットがありますが、現在はデータ保存場所としての機能以外にも多様な機能を持ったクラウドサービスがあるため、導入する際には自分たちの目的とそれに見合った仕様を見極めることも重要です。

問題は山積み・・・しかし、

 JOGMECでは、石油天然ガス開発部門を対象として、2020年に「クラウドベースのデータ管理・利用システム」の試験導入を開始しました。我々は、各部署がデータをこのシステムに保存し、一定のルールの下でユーザーが集約されたデータを利用できるシステムの構築と運用を目指しています。
 データベースの構築においては、システムそのものだけでなく、自分たちのルール作りも大事です。これまでは、部門共通の明確なデータ管理ルールがなかったので、保存されるデータの品質管理ルールの設定等、まずは素地となるルールを作ることから始めました。さらに、データによってはその守秘性により他部署へ共有できないものもあるため、データごとにユーザーのアクセス権限を割り振ることも重要となってきます。
 このように課題は山積みですが、一つ一つクリアしていくことでJOGMECにとって有効なシステムや運用ルールを構築できるよう取り組んでいます。そしてゆくゆくは、「資源開発2.0」実現の対応策の一環としてJOGMECに求められている、「デジタルナレッジセンター」としての機能を果たすべく、民間企業の規範となるようなデータベースを構築していきたいと考えています。

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