デジタル推進事業 人材育成・情報発信 ゼロから始めた
デジタル人材育成

ゼロから始めた
デジタル人材育成

石油開発とデジタル技術の
両方が分かる人材を育成

POINT
JOGMEC内部でデジタル人材を育てる必要性
日本ディープラーニング協会(JDLA)の認定資格取得を通じて人材育成を推進
集中講座開催により石油開発とデジタル技術の組み合わせの可能性を体感

なぜデジタル人材育成が必要?

 JOGMECは、「石油開発」と人工知能(以下「AI」)・機械学習を初めとする「デジタル技術」の両方が分かる人材の育成を目指しています。その理由は大きく2つあります。
 1つ目として、デジタル技術はそれを導入することが「目的」ではなく、ビジネス課題の「解決手段」のあくまで一つであるからです。このため、従来のやり方も含めて比較を行いベストな解決手段を検討します。そして、ビジネス側である石油開発技術をよく知った人が、「課題解決にAIを用いるのが最適なのか」や「入手した石油開発側のデータとAIとの相性が良いか」などを考えて選ぶことが、課題解決への近道であると考えています。
 2つ目は、デジタル技術を活用するためには、JOGMEC内だけでなく外部のデータサイエンティストを初めとした複数の専門家とチームを組むことが一般的と思いますが、外部専門家と共働する際にも、JOGMEC側の技術者がデジタル技術の中身を可能な限りよく知っていることが、円滑にプロジェクトを進めていく上で重要であると考えているからです。例えば仕事をお願いするための仕様書を作成する際にJOGMEC側の技術者がデジタル技術のことをよく理解していないと、抜け・漏れの多い仕様書になってしまうことが予想されますし、円滑にプロジェクトを進めていく上でも重要であると考えています。実際にこれまで2年間取り組んできた中でもそう感じています。
 更に技術者だけでなく、契約・知財・データ等においてAI業界には独自のルールがあることから、取り扱う事務系職員においても、その知見やノウハウを獲得していくことが重要であると考えています。
 以上のことから、JOGMECではデジタル事業を進めていく上で、そのベースとなる「人材育成」は最重要課題の一つであり、早期に達成したいと考えて取り組んでいます。

目指すのは石油開発とデジタル技術の両方が分かる人材

日本ディープラーニング協会(JDLA)の認定資格取得を通じて人材育成を推進

 JOGMECでは人材育成において、社団法人日本ディープラーニング協会(以下、「JDLA」)の2種類の資格習得をひとつの目安として取り入れています。
 まず一つはジェネラリスト(G)検定です。ジェネラリストの名前の通り、AI・機械学習に関わる広く一般的な知識を問う試験となっており、AIの技術的内容だけでなく契約や知財の問題も出題されています。この勉強を通じ、技術者に限らず事務系職員にとっても業務を進めていく上で、AI業界の一般常識を網羅的に学ぶことができるため、大変有用と考えています。なお、AIをよく知らないとAIは万能で何でもできるというように誤解をされがちですが、G検定取得の勉強を通じて、AIはこういうものであり、何ができて何ができないかということが分かるようになるという利点があると感じています。
 もう一つはエンジニア(E)資格です。ディープラーニングを中心とした理論を数学からしっかりと理解し、適切な手法の選択やPythonを用いた実装ができる能力を持つ人材の育成を目指す資格となっています。また特徴として、自動車の免許取得のように、認定講座修了とペーパー試験の2段階に分かれており、主に認定講座受講を通じて理論と実技であるPythonを用いたプログラミング(実装)について時間をかけてしっかりと勉強します。この取得を通じて、課題やデータに対してどのようなAIの選択肢があり、どれを選ぶと相性が良さそうかといったことが分かるようになりました。
 このように、JOGMECでは、デジタルのプロジェクトを進める上での前提知識をJDLAのG検定取得で、実装も含めた技術中身の理解を目指すためE資格取得という形での人材育成を目指しており、これまでG検定には47名、E資格には13名合格しております!(2021年4月時点)

JDLA資格取得を人材育成達成度の目安に

集中講座開催により石油開発とデジタル技術の組み合わせの可能性を体感

 JDLA資格取得への取り組みを通じてデジタル技術の中身が徐々に理解ができるようになっていきますが、これに加え石油開発での活用実例を自分の手で体験することが重要と考えています。その理由は、石油開発の実プロジェクトで課題解決手段として、デジタル技術を使うべきなのかを判断する上で自分の手で一度体験をしておくと、「デジタル技術と相性が良さそうか?」、「本当にできそうか?」、「どれくらい大変そうか?」ということが具体的に想像できるようになるためです。
 このため、JOGMECではこれまで外部講師を招いた「石油開発データを用いた機械学習プログラミング集中講座」を、複数回実施しています。その一例として、2019年度には、初心者向けに2回(地質・物理探査技術者向け及び油層・掘削・施設技術者向け)実施し、合計20名が参加しました。この研修では、石油開発データを使った機械学習プログラミング実例の作成だけでなく、どういった石油開発の課題を機械学習で解決できそうかというアイデア出しとその実現性についても講師とディスカッションを行いました。これにより、参加者の大多数が当初は「機械学習を使って石油開発で何ができるのかよく分からない」状態であったところから、実例の体験を通じて、どんなことができそうか具体的にイメージを持てるようになりました。

2019年度に実施した研修

勉強を継続しやすい環境構築と新たな取り組みに向けて

 これまでにご紹介したJDLA資格取得講座受講や石油開発実データを用いた集中講座はいわば一気にデジタル技術の理解を深めていくための助走に相当し、一方で走りを継続していくにはやはり日々の勉強の継続が重要となってきます。JOGMECでは、社内でJDLA資格対策を中心にAI関係の本を購入しライブラリーを作成しています。これにより、新たに興味を持った職員が勉強を気軽に始めることができます。また、蓄積され始めたノウハウや情報はグループ内での共有を進めており、興味を持つ職員を中心に一丸となって日々勉強の継続に取り組んでいます。
 ここまでご紹介した内容はJOGMEC内部の人材育成取り組み方針が中心でしたが、これまでの取り組みを通じてノウハウがJOGMEC内にも蓄積をしてきました。今後は石油開発企業の皆様へ向けて、蓄積したノウハウの共有や外部研修の企画などを視野に入れ、人材育成への取り組みを継続していきます。

ライブラリにある書籍の例

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